「花とみどりの流通DXを加速させるオープンプラットフォーム」
当社は、公益財団法人日本生産性本部 サービス産業生産性協議会(SPRING)主催の「第5回 日本サービス大賞」において、農林水産大臣賞を受賞しました。受賞サービスは「花とみどりの流通DXを加速させるオープンプラットフォーム」です。本サービスは、サービスの高度化と産業の発展を先導する「革新的で優れたサービス」である点が高く評価されました。
※1 一般社団法人日本花き卸売市場協会「2024年花き市場流通調査概要」より
■「日本サービス大賞」について
日本サービス大賞は、国内の全てのサービス提供事業者を対象に、顧客価値や仕組みの革新性、社会的貢献などを共通の尺度で評価し、“きらり”と光る優れたサービスを表彰する制度です。主催は、公益財団法人日本生産性本部、サービス産業生産性協議会(SPRING)で2015年に創設し、今回は第5回目の開催でした。
■サービスの概要と特徴
注文・相対・オークション機能を有する独自のEC取引システムを、全国の連携市場にデータ連携しオープン化。業界の生産性向上と自立的な商取引を実現しました。さらに、植物に特化した消費者のコミュニティアプリ「GreenSnap」(ユーザー340万人)と共同で植物のビッグデータプロジェクトを立ち上げました。生産者や販売事業者が消費者とともに花とみどりに関する情報交換を行うコミュニティ形成を目指しております。
■業界の生産性向上と自立的な商取引の実現を提案
業界の生産性向上を目的に開発したEC取引システムを連携市場にオープン化し「ミライノミドリ」としてサービス展開。競売ではなく生産者が直接販売価格を決めて商品を出品・提案する自立的な商取引を促進します。
■作り手の品質への思いと消費者の品質への期待が一致したブランド「三ツ星品質」
三ツ星品質は、消費者と一緒に作り上げることを核にした園芸ブランドです。生産者が育てた苗を、GreenSnapのモニターが実際に育成し、「育てやすさ」「花付き」「満足度」などをレビュー。その評価データと声を受けて改良を重ね、一定以上の高評価を得た品種だけを認定して製品化します。作り手の想いと使い手の実感を往復させるプロセスで、安心して選べる品質を届けています。
■販売データとビッグデータを活用した会員サポート
取引データと消費者のデータの相関分析を行い、生産者に向けてトレンドを捉えて提案。ニーズのある商品の計画的な生産、安定した価格での供給が可能になります。
植物のビックデータプロジェクト「PlantsDATA(プランツデータ)」を活用し、豊明花きの入荷・販売データとGreenSnapのユーザー行動データを連携、店舗の入荷情報をGreenSnapアプリで自動通知するリテール支援です。ユーザーは欲しい植物の入荷店をすぐ把握でき、新鮮なうちに購入可能に。店舗はチラシやSNSでの個別告知を削減し、入荷直後に効率的に通知できるため、来店促進と売場活性化につながります。
■ DXを活用した業界のインフラ再構築
花き業界の商取引慣習の革新と業界活性化を進めるサービスであり、DXを活用した業界のインフラ再構築が期待されています。
オープンプラットフォームである「ミライノミドリ」の仕組みを物流システムと統合することで、物流領域におけるDXも段階的に推進します。あわせて、台車を中心としたマテハン機器を政府が定める規格サイズへ統一し、RFIDタグなどを活用した機器管理や配送状況の見える化を実現。取引から物流まで一体で効率化し、持続可能な流通基盤の構築を目指します。

■今後の取り組み
花やみどりの業界ではアナログでのやり取りが多く、事務処理や情報伝達に大きなコストがかかっています。そのため、ライフスタイルの変化に応じてビジネスを変革することは至難の業でした。
一方、当社では対面で大口取引を締結する顧客を除けば、取引の約80%がEDI経由です。したがって、同業他社においても受賞サービスを利用することで、当社と同程度の生産性向上が期待できると考えています。
加えて、消費者の嗜好を反映したユーザー参加型の商品開発を行うことで付加価値の向上も期待できます。今後とも、当社はオープンプラットフォーム構想を推進し、生産者、卸売事業者、販売事業者との連携・協業を進めてまいります。




